6月下旬、週刊誌などで、「実は、名古屋市の空間放射線量率は高い!」と報じられました。中には、0.15μSv/hとか、0.2μSv/hとか、関東地方と同じくらいの数値が測定された、と書かれているものもありました。
僕にとってこの内容は、かなりショッキングだったのですが、測定したのは専門家ではなく週刊誌の記者さんだったり、測定に使用した機材も、空間放射線量率を測定するのに不向きなガイガーカウンターだったりと、どこまでその数値が正確なのか、かなり疑問でした。
愛知県には、名古屋市の北区に環境調査センターがあります。ここにあるモニタリングポストでは、福島原発事故以前から空間放射線量などの測定をしており、事故発生後も、その数値は過去の数値とほぼ同程度で、0.15μSv/h、0.2μSv/hなどという数値は一度も測定されていないのです。また、これらの数値は、環境調査センターが敷地内の、地上1メートルのところでシンチレーション式サーベイメーターを使用して測定した数値からも大きく掛け離れています。
ガイガーカウンターはどれもそれぞれクセがあって、中には実際よりかなり高い数値を算出してしまうものもあるのですが、そもそも愛知県が名古屋市北区の県環境調査センターで使用している精度の高いモニタリングポストの数値やシンチレーション式サーベイメーターの数値と、ガイガーカウンターの数値を同じレベルで比べて良いのでしょうか?
実際、その週刊誌の記者さんが使用したものと同型のガイガーカウンターは、1分毎に数値を算出するのですが、例えば、0.09、0、0.09、0.26、0.12、0.18、0.12、0.06、0.06、0.06、0.09、0.14、0.21(単位はμSv/h)..という具合に数字が出てきます。測定を始めてかなり時間が経ってもなかなか不安定なようです。長時間に渡り数値を取るのでなければ、どこの部分の数値を取って平均化するかで数値は大分変わってきます。その週刊誌の記者さんが行ったようなたった5分間の測定では、正しい平均値を取ることさえ難しそうです..
僕の結論は、「あてにならん!」でした。
しかし、そういう記事が出れば、やはり不安になります。名古屋市に市内広域の放射能測定をお願いしたいのですが、なかなか行動してくれない、というディレンマがあります。名古屋市にも、色々と事情もあるでしょうから、安易に責めるつもりはないのですが、チェルノブイリ規模の原発事故が日本で起こってしまった現実、見えない放射能は風に乗れば何百キロ先にも運ばれて来るという事実があるので焦ってしまいます。
「自分で測定するしかない!」と、僕は思いました。
ただ、自分で測定するのなら、測定精度が高い測定器をゲットすることは必要不可欠です。
いろいろと調べた結果、DoseRAE2という小型放射線測定器が、測定精度が高く、比較的安く手に入ると分かりました。※DoseRAE2は、ガイガーカウンターではなく、空間放射線量率を測定するのに適している、シンチレーション式を採用した小型放射線測定器です。
というわけで、ここは少し頑張って、ヤフオクへ!数時間に渡るライバルとの激闘の末、見事DoseRAE2を競り落としました!自分が放射線測定器を購入するなんて、3.11以前は100%考えられなかったことですが..