こちらは、僕がよく参考にさせていただいている、愛知県豊橋市の屋内(2階)の空間放射線量率のモニタリングを中継するUSTREAMのサイトです→http://www.ustream.tv/channel/radiation-toyohashi
画面向かって右側が、Vernier DRM-BTDというα、β、γ線を測定するガイガーカウンターで、価格はだいたい$400(約32,000円)ほどです。この中継では、数値は、0.1μSv/h〜0.2μSv/hの範囲で大きく変動することが多いようです。
画面向かって左側(緑の液晶)が、RAE SYSTEM社のGammaRAE Ⅱ RというフォトダイオードとPINダイオードを使ったγ線を測定するための放射線測定器で、価格は$1,318〜$1,539(約100,000〜120,000円)ほどです。この中継では、数値は、0.04μSv/h、0.05μSv/hのいずれかで安定していることが多いようです。※この測定機器は、時間帯により、この中継に表示されていないことがあります。
しばらくの間、この中継で使われている、2つの異なる測定機器の数値の動きを見てみると、いろいろと気が付くことがあります。
それは、GammaRAE Ⅱ Rが、Vernier DRM-BTDより価格が高く、アメリカのRAE SYSTEM社という、世界50カ国以上の軍、政府機関、エネルギー関連企業などで採用されている信頼性の高い製品を提供するメーカーの製品であり、その数値の信憑性は他方に比べてより高いだろう、というような単純な話ではありません。
重要なのは、この中継映像からも分かる通り、「『同じ場所』を測定しても、測定機器により数値はかなり違う」という事実に着目するべきだ、ということなのです。
ですので、例えば、Vernier DRM-BTDだけで測定した人は、「愛知県豊橋市の屋内は、0.1μSv/h〜0.2μSv/hだ!」と言うでしょうし、GammaRAE Ⅱ Rだけで測定した人は、「愛知県豊橋市の屋内は、0.05μSv/hくらいだ!」と言うでしょう。
要は、「『同じ場所』を測定しても、測定機器により数値はかなり違う」という事実を理解した上で、あくまでも、「◯◯という測定機器で測定した結果、◯◯μSv/hという数値が出た」という見方をするのが正しいのだと思います。つまり、数値を参考にしても、数値そのものを「絶対に正確だ!」と錯覚しないことが大切なのではないでしょうか。
「自分の測定機器の数値は、絶対に正確だ!」と盲信し、「名古屋市は、0.2μSv/hだ!」とか、「実は九州も0.2μSv/hだ!」と勝手に決めつけて大騒ぎするのではなく、手間がかかりますが、降下物の放射能測定結果や土壌検査結果など、ほかの様々な資料(別の測定機器でその場所を測定した数値などを含む)にも目を通した上で、自分が測定した数値と照らし合わせ、より客観的で正しい結論を導き出す必要があるのだと思います。
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