2011年7月17日日曜日

福島原発事故、名古屋市に住む僕たちが気をつけること

昨日、僕は、愛知県の過去、現在の放射能調査の資料を根拠に、「名古屋市に限って言えば、福島原発事故による放射能の影響は特に見受けられないのではないか(※福島原発から名古屋市に直接飛散した放射性物質は、ごく少量であっただろう、という意味で)」と書きました。個人的な見解ですが、僕はそう思っています。

ただ、このことは、名古屋市に住む僕たちが放射能被害の影響から完全に隔離され、まったくその影響を受けないということを意味していません。

どういうことかと言いますと..

たしかに、福島原発事故により、福島原発から名古屋市に直接飛散した放射性物質は、ごく少量だったかもしれませんが、名古屋市に及び得る、破局的な原発事故による放射能被害は、これで終わりというわけではない、ということなのです。

以下は、広河隆一さんというフォトジャーナリストの著書「暴走する原発」からの引用です。

汚染地と非汚染地の子どもの体内セシウム量が、ほとんど同じだったという結果が出たことについて、ミンスクにあるチェルノブイリ省のプリヤークに訪ねた。彼は役人らしく次のように答えた。
「ゴメリの土壌汚染はミンスクの10倍です。でも人体内に蓄積されたセシウムの量は大体同じです。汚染された肉が事故から4年の間、生産され続けました。'86年の時点では、この肉は破棄されずに機械的に混ぜ合わされていました」。

私はチェルノブイリ取材の通訳をモスクワ在住のロシア人に頼んできたが、彼は汚染に対する恐怖が、私よりはるかに大きい。強い汚染地では、私が撮影するために外に出る間も、彼は窓を閉め切って車から降りない。だから私も彼も、被曝量は私の方がはるかに大きいと信じていた。ある日ミンスクで体内セシウムを測る機会があった。その結果、彼の体の放射能は、私の倍だった。彼は相当ショックを受けていたが、これはどうやら、彼がモスクワで毎日食べている食品が汚染されていることが理由らしかった。-引用ここまで-

つまり、このチェルノブイリ原発事故の経験が伝えていることは、現在の名古屋市のような非汚染地で生活する人々も、市場に流通した、放射能に汚染された食品を日常的に食べ続けることにより、汚染地で生活する人々と同じレベルの人体汚染を受けてしまう可能性があるということです。

先日、政府の暫定基準値をはるかに超える福島県産の牛肉が、愛知県をはじめとする全国の都道府県に流通、しかも一部はすでに消費されていたというニュースが流れたばかりです。この事実は、チェルノブイリ原発事故時のモスクワ市民と同様に、名古屋市民にとって、福島原発事故による放射能汚染に起因する食品汚染の問題、それに伴う内部被曝の問題は、決して「対岸の火事」ではないことを物語っています。

名古屋市に住む僕たちは、一人ひとりが、できるだけ食品に関する詳細な情報を入手して、それぞれの判断で、(市場に流通している食品であっても)避けるべき食品を避けること、それが重要になるのだと思います。面倒臭いですが、破局的な原発事故が日本で起こってしまった以上、このくらいの労力は仕方がないことなのかもしれません。

僕は基本的に、汚染地で生産された未測定の食品は避けます。「安全」と言うのならば、その証拠となる数値を示さなければなりません。それが、「風評被害」なるものを無くし、なにより放射能被害から国民を守る為に不可欠な、行政側の責任なのではないでしょうか。

今回の福島県産の牛肉のように、食べた後で、「実は、基準値を超える放射能が検出されました」などと教えられても、取り返しがつかないのですから..

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