2011年12月13日火曜日

東京の杉並区の小学校の芝生養成シートから、9万600Bq/kgの放射性セシウム検出!

12月13日付の東京新聞によると、東京都杉並区立堀之内小学校で使用していた芝生の養成シートから、9万600Bq/kgの放射性セシウムが検出されたことが、区の調査で判明したそうです。

このシートは、1月から4月上旬まで、校庭の芝生の上にかけてあったそうですが、区が11月に保護者の要請で、このシート上の空間放射線量率を測定した結果、3.95μSv/h(高さ1m)という数値が出た為、詳しく調査をしていたとのことです。

また、同日付のNHKニュースは、このシートが4月6日以降11月初めまで、 この小学校の体育館脇に置かれていた、と報じています。

僕は、このニュースにかなり驚かされたのですが、理由は二つあります。

一つ目は、東京都健康安全研究センター(新宿区)では、福島原発事故の影響により、3月20日から24日にかけて、 降下物から大量の放射性物質が測定されましたが、文科省の航空機モニタリングの結果では、この小学校のある杉並区も、東京都健康安全研究センターのある新宿区と同様に、セシウム134、137の沈着量の合計が1万Bq/㎡以下の地域であって、汚染がそれほど酷くないと思われる地域から、9万600Bq/kgというとてつもない汚染物が発見された、という点です(単位がBq/kgで、9万600という数値ですから、本当に酷過ぎる汚染です)。このシートは、何故、これほどの汚染を受けてしまったのでしょうか。僕にとっては、大きな謎です。

二つ目は、この9万600Bq/kgという、とてつもない汚染物が、福島原発事故が起きて以来、11月まで誰にも発見されず、多くの子どもが生活する小学校という場所に放置されていた、という点です。実際に、体育館脇に放置された状態だったわけですから、この期間に、その付近で遊んだり、或いは、シートの上に腰掛けたり、寝転んだりしていた子どももいるかもしれません。そういうことを考えると、本当に恐ろしくなります。

そして、特に、二点目について思うのですが、これほどの汚染物が小学校内にあったことは、予測がつかなかったのかもしれませんが、学校や公園など、多くの子どもが使用する施設ですから、特に福島県、関東地方では、行政が迅速な対応を行い、これらの施設の安全確認、安全確保をする必要があったはずです。

学校に於いて、シンチレーション式のサーベイメーターなどで、校庭を隅々まで測定することは、放射性物質がランダムに拡散しホットスポットを作るという事実を考慮し、子どもの安全を最優先するのであれば、必要不可欠な作業だったはずです。

現実には、杉並区だけでも多くの学校があるでしょうから、各学校の校庭を隅々まで測定するとなると、その労力は計り知れないほど大きなものでしょう。しかし、未曾有の原発事故が起こったのですから、それに見合う危機感を持った対応が必要だったことを、何よりも、この事象が証明しています。

いずれにせよ、福島原発が爆発してから約8ヶ月もの間、この汚染物が、誰にも知られぬまま放置され、それにより、子どもたちが被曝の危険に晒された可能性があるわけですが、行政は、その責任をどのように考えているのでしょう。当然、「知らなかった」とか、「予測がつかなかった」では済まされない問題で、残念ながら、またしても、行政の危機管理能力の欠如が露呈する結果となってしまったことだけは確かです。

福島原発事故が起こった直後、(僕の両親もそうですが)僕の親戚の子どもが千葉県に住んでいる為、行政に、学校の校庭を隅々まで測定することなどを求めたこともあったのですが、「検討します」というお決まりの返答は頂いたものの、迅速な対応はして頂けませんでした(暫く経って、ようやく対応をして頂き、以前と比べればかなりマシになりましたが、まだまだ、校庭の測定箇所が少なく、やはり、何よりスピードが遅いのです..)。「日本のお役所らしい」と言えばそれまでですが、レベル7の原発事故が起こった、いわゆる非常時なのですから、「もっと迅速に、もっと臨機応変に対応して欲しい!」と歯痒く思ったものです。測定などに人手が足りないのであれば、子どもの父兄らに呼びかけて協力を求める、とか、方法はいくらでもあると思うのですが。

0 件のコメント:

コメントを投稿